<ヨーロッパ・アメリカ文化専修 ヨーロッパ文化専攻>
「オーケストラと仕事の両立」
私の埼大時代
大学生には時間がたくさんあります。”人生の夏休み”とも言われる4年間の中で、私はさまざまなことにチャレンジし、多くの学びを得ました。今回はその中からオーケストラ活動について紹介させていただきます。
小さい頃からの習い事を生かしたかったので、入学時には埼玉大学管弦楽団に入団しました。さまざまな楽器が集うオーケストラに正式に所属するのは初めてだったので、演奏面や団内での役職等多くの壁にぶち当たりました。大学入学前までは1人で簡潔する曲や比較的少人数での演奏を中心に行っていたため、それまでとは重視する点が異なるオーケストラでの演奏について、とても悩みました。大人数かつそれぞれ性質の異なるパートがたくさんいる中で、場面ごとに自分のパートのバランスを考えることや、同じメロディを弾いているパートをみながら演奏することなど、より多くのことを意識して演奏するようになりました。またメインの代では活動の場を増やし、埼大オケを含む2つのオーケストラで、演奏面を支えるリーダーとして活動しました。自身の演奏で思った通りの音が出なくて自己嫌悪に陥ったり、毎回全体練習で同じことを注意されてしまったりして、個人としてもリーダーとしても、もどかしさと不甲斐なさでとても悩みました。また自分よりも上手な人がたくさんいる中で、リーダーとして動かなければならない状況に大きなプレッシャーとストレスを感じ、もう投げ出してしまいたいとも思いました。しかし親身になって相談に乗ってくれる友人や家族、先生、周囲のあたたかさに恵まれ、最後までやり通すことができました。
2つのオーケストラに所属することにより、経験年数による慢心を自覚し反省するとともに、支えてくれる人がいることのありがたみを改めて知りました。また自分も含めた一人ひとりの音には良さがあることに気づくことができました。演奏のレベルだけではないそれぞれの個性をとらえ、それらが掛け合わさって化学反応をおこすのが、オーケストラの楽しさであると実感しました。同じメロディを弾いても全く違う印象になることや、自分の思う音だけが正解ではないことを学ぶことができました。みんなで1つの音楽をつくりあげることの難しさと楽しさを感じながら、今でもオーケストラ活動を続けています。
就活
ESの作成は、文をつくっては修正し、時には迷走することの繰り返しでした。各企業が指定する文字数内で自分の言葉をまとめるのは意外と難しく、高木さんにはそもそも軸がブレている、とのご指摘をいただいたこともありました(笑) 親身になって対策をしてくださる方が大変多かったため、いただいたアドバイスを凝縮したESができたときには、これで通らなかったら仕方ない、と思えるものを完成させることができました。
面接ではとにかく自信をもち、笑顔で素直に受け答えをすることを意識しました。正直対策しきれていない想定問答もありましたが、人として魅力を感じてもらえるように前向きな態度で挑む努力をしました。ESには、大体の企業に共通するテンプレがあるので、つくり込むほど通過する可能性は高まるように思います。しかし面接については、自分ではすごく上手くいった!と思えるものでも、当日の面接官が抱く印象によって合否が左右されます。せっかく練習しても、努力がそのまま合否に反映されないところは納得しづらいですが(笑)、面接官に好印象をもってもらい、相性がいいと思ってもらえることを重視して臨んでいました。
両方に共通して、常に自分を客観視することが大切だなと思いました。
私は特にこれが苦手なので、就活という一大イベントにおいて、自分のESや面接・グルディスを客観的に評価してくれる方が周囲にいてくれたのは、本当に恵まれていたなと思っています。
仕事のビジョン
大学卒業後はオーケストラクラブのある鉄道会社に入社し、現在は駅できっぷの作成に携わっています。泊まり勤務もあり、体力的にはきつい仕事ですが、まとまった空き時間があるので、オーケストラとの両立もできています。
将来は、観光以外に付加価値もある旅行業に携わりたいと思っています。その旅行から、地域の魅力の再発見によって各地が元気になり、過疎化を防いで経済的にも潤ってほしいという思いや、旅行した人の価値観の変化が生まれ、それを通して夢をもってもらうきっかけになるような旅行をつくりたいと思っています。まだ全国的に有名ではない場所であっても、その土地にしかない良さは必ずあります。私が小さい頃に、家族でそのような土地にたくさん行き、人との交流の中ではっとさせられた経験があったことや、知名度も低く観光サイトに出てこない土地であっても、手付かずの素晴らしい大自然が存在することを知りました。それらをより多くの人に知ってもらい、自分と同じような感動を味わって欲しい!という思いと、現地の方にもその魅力を再認識してもらうとともに、どんどん魅力を伝えてほしい!と思っています。私が駅でできること何なのか?ということを考えながら、現在は観光ポスターを掲示する活動に参加するなど少しずつ取り組みを続けています。
力を入れている活動、趣味
会社のオーケストラでも、年に一度の定期演奏会に向けて日々練習を続けています。個人で練習できる時間は学生時代に比べて格段に減りましたが、予め計画した範囲を時間内に集中して取り組んでおり、効率的な練習ができています。また合奏の時には、曲のぼんやりした概念をかみ砕き、音にするのは難しいですが、日々のできごとや感情を重ね合わせながら演奏に生かすのはとても楽しいです。月一回の個人レッスンも欠かさず受けています。またこのご時世にあまり大きな声では言えませんが、日帰り旅行にも行きます。勤務明けに同期とネモフィラを見に行ったり、長野県の姨捨に夜景を見に行ったりしました。